四十肩、五十肩と肩板損傷の違いは?

四十肩、五十肩と肩板損傷の違いは?

2022.11.22

肩関節は、解剖学的特徴からいろいろな方向によく動きます。逆に安定性のない関節ということもできます。そんな不安定な関節を頑張って安定させているのが、「ローテーターカフ」(回旋筋腱板)と呼ばれている筋肉群です。ローテーターカフは、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋から構成され、これらの筋は上腕骨を肩甲骨の関節面へ引きつけるように働いています。

症状

40歳以上の男性(男62%、女38%)、右肩に好発します。発症年齢のピークは60代です。

肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。 運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。

四十肩、五十肩と違うところは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。 他には、挙上するときに力が入らない、腕を挙げる時に一定の角度で痛むがそれ以上は痛くない、挙上するときに肩の前上面でジョリジョリという軋轢音がするという訴えもあります。

原因

腱板断裂の背景には、腱板が骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれているという解剖学的関係と、腱板の老化がありますので、中年以降の病気といえます。

明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で、断裂が起きます。よく右肩に多い事から使い過ぎと加齢に伴うものと言われますが私は加齢とともに筋力が落ちることと腕を肩より上に挙げる事が日常生活で少なくなる事が原因ではないかと考えています。多少は使いすぎもあるかもしれませんが殆どの場合、使い過ぎではなく使わなさ過ぎではないでしょうか。

治療法、改善方法

痛みが出てどれくらいかにもよりますが痛み出して2.3日であれば状態にもよりますが冷やす事を優先します。まずは炎症を抑える事が重要です。

痛くなり1ヶ月以上経過している場合は血流を促す事が重要になるので温める、痛くない範囲で動かす事が大切です。当院では超音波療法やマッサージ、ご自宅でのリハビリ方法を状態を考慮して行っております。